こんにちは!
Wind Band Press編集長の梅本です。
この編集長コラムでは、最近気になることや、経験上何か役立ちそうなことなんかを、ちょこちょこと書いていきます。
最近は演奏会の宣伝告知はSNSがメイン、というバンドや奏者も多いのかなという印象を受けます。
それはそれで良いとして、今日は「SNSで宣伝をするときに気をつけたいこと」というテーマで少し考えをつらつらと書いてみようかと思います。
人やバンドによって様々なアカウント運営の仕方があると思いますが、SNSを使う場合、特にこれといって効果が出ていない場合は、思いつきではなく戦略や方針を決めて使ってみてはいかがでしょうか。
まずは自分や自分のバンド、オケがどういう立ち位置にいるのかを分析する必要があります。
SNSで何かを宣伝する場合に、演奏会についての詳細が記載されたページとかプロモーション素材といった元コンテンツがあると思うのですが、指名検索(奏者名やバンド・オケの名前での検索)があるのかないのか、によってもどんなコンテンツを用意したらよいかが変わってきます。
どんなコンテンツを用意したら良いか、の事例やネタは、多くの他のバンドや同業他社のアカウント、または異なるジャンルの音楽や編成、異なる業種のアカウントなどを日頃から意識して見てチェックしてストックしておくと良いでしょう。
そういった他のアカウントの宣伝などを見ながら、「これは面白くないな」というものや、ネガティブな印象を受けるものは自分たちのコンテンツ案からも外していきます。
逆に「これは思わず引用してシェアしちゃった」というような事例を集めて、そのうまくいっているアカウントの根本的な考え方が自分たちのコンテンツ作成に落とし込めるかどうかを考えてみると良いと思います。
アカウント運用については、ただ単に「アカウントを運用しよう」ではなく、UGC(ユーザーが生み出すコンテンツ)が発生するようなコンテンツ、例えばTwitterであれば「思わず引用してつぶやきたくなるコンテンツ」を企画して、それをコアなファン(反応してくれやすいフォロワーとか)に届けるための運用をしたほうが良いです。
UGCが発生したらそれを自分のアカウントでシェアしたりしてさらに拡散する、そういう運用の仕方をすることで徐々に指名検索が増えていきます。
このあたりの「SNSでどう売るか」という話は前にも書きましたので参考にしてみて下さい。
▼【編集長コラム】SNSでモノを買う時代に僕らはどうやって「演奏会」を売ればいいのか?
https://windbandpress.net/14298
あとは、たまに見かけるのですが、バンドや企業のアカウントを私物化しないことです。別に堅苦しい文体にしようとか、くだけた表現はやめようとかそういうことではないのですが、個人的な主観による批判や不満、愚痴などネガティブな発信は控えましょう。ネガティブな発信に限らず、個人的な話は、求められない限りは控えたほうが無難かと思います。
バンドや企業の看板を背負っているということを忘れずに、組織に迷惑をかけないような表現や発信内容をこころがけたいところです。否定的なツッコミ(UGC)が発生してバンド名や企業名にネガティブな印象を持たれてしまうような要素は排除しておく、ということです。
ただ、親しみやすさはあってもいいかなと思いますので、そのあたりは所属組織と広報担当の間でコンセンサスを取って投稿内容やルールを決めておくとよいでしょう。
何はともあれ業界内での自分/自分たちの立ち位置を理解することが大事です。
SNS運用というと、ついつい「どんな投稿がウケるかな」と考えてしまうかもしれませんが、最も大事なのは「SNSアカウントを運用すること」ではなく、コンテンツを届けること、自分たちの伝えたいことを知ってもらうことです。(SNSの投稿もコンテンツではありますが)
SNSはコンテンツ(演奏会の詳細や演奏会プロモーション素材、自分たちは何者か、など)を届けるための手段のひとつでしかありません。
例えばTwitterでの宣伝は、基本的にはTwitterを見ている人にしか届きません。一つのSNSだけに絞らずに、色んな媒体を使ってタッチポイントを増やすようにしましょう。各種SNSのほか、You Tube、Wind Band Pressのようなサイト、リアルでの宣伝告知など、タッチポイントはたくさんあります。
各媒体の客層は被らないことが多いそうなので、媒体に合わせてコンテンツ作成も少し変化をつけてみたりしても良いかもしれません。
SNSに関しては特に昔のように一方通行で発信する時代ではないので、「1:n」(1対多)という考えから「n:n」(多対多)という考えへのシフトが必要です。
そしてこれは忘れがちかもしれませんが、SNSには毎日多くのユーザーからのたくさんの投稿があり、あなたの渾身の投稿もすぐに激流に流されていってしまいます。
そういう意味でも「1:n」ではなく「n:n」という意識が必要になってくるのです。
多くの人がシェアしやすい投稿ってどんな投稿だろう、良いUGCが発生しやすそうな投稿ってどんな投稿だろう、という点に気をつけて運用をしてみてはいかがでしょうか。
流れが激しい中でも、友人や家族からのクチコミほど強力なコンテンツはありません。「n:n」にする、n人のUGCがn人に届くことによって、一度は流されてしまうSNSコンテンツが息を吹き返すわけです。
バンドでSNS担当が一人しかいない、という場合でも、他の広報担当と相談して、どんなコンテンツをどんなタイミングでどんな言葉でSNSにシェアするか、ということをしっかり考えてやってみるだけでも、だいぶ反応が変わってくるかもしれません。
SNSアカウント運用は大変だと思いますが、「いいね」してくれた人がみんな演奏会に来てくれるわけではないので、「いいね」を狙ったり「いいね」の数や閲覧数に一喜一憂するのではなく、「届けたい人に届けたい情報を届けるための手段としてのSNS」ということを意識してみたら良いんじゃないかなあ、と思います。
「いかに良い形で情報を拡散してもらうか」かなあ~と考えている昨今です。
悪い形で拡散しないように気をつけることと同時に、良い形で拡散するコンテンツは何か、ということにも気持ちを向けてみたら、もっとSNSの宣伝が楽しいものになるかもしれませんね。
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